カナダの人種問題|ウィニペグに住むカナダ先住民たち

By | 2014年4月11日
13729203185_56ff272f04_z
Pocket

 

カナダは移民大国です。OECD International Migration Outlook 2013のデータによると、全カナダ人口の5分の1、20%の人はカナダ以外の国で生まれた人だそうです。5人に1人が移民ということです。(ちなみに日本は1.1%。移民の割合は100人に1人)

今日は、カナダに住む上で決して避けて通れない人種問題について取り上げてみます。

※この記事は先住民たちへの偏見や差別を増長させる意図はありません。現状の事実として参考にしていただければ幸いです。

カナダにおける人種問題

これだけ移民が多いので、異文化には寛容な人が多いのは確かですし、移民を差別しないような法律も存在します。しかし、それでも人種差別的な考えを持っている人は少なからず存在するのも確かです。

アジア人だからといって差別されたという話も聞きますし、あまりアジア人が好きじゃないという人もいます。

それほど顕著なまでな人種差別はあまり目にすることはありませんが、人種という目に見える違いを起因とする差別ですので、改善されることはあっても完全になくなるというのは難しいかもしれません。

カナダ先住民、アボリジニー

ヨーロッパ系とアジア系などの間の差別も大きな問題の1つですが、ウィニペグにおいてそれ以上に深刻なのが、カナダ先住民、アボリジニーの問題です。

※いろいろな呼び方があるのですが、ここではアボリジニーまたは先住民と書きます。

カナダはもともと、この土地に住んでいた先住民たちの土地でした。その土地を、ヨーロッパや米国から入植してきた人たちが、わずかなお金などと引き換えに彼らから奪ったという歴史があります。

この問題を調べていくと様々な悲しい歴史がある事がわかります。いずれその点についても取り上げたいと思っていますが、まずはウィニペグにおける問題をあげてみようと思います。

まず最初に、アボリジニーの人たちの構成からご紹介します。

アボリジニーの人種構成

カナダのアボリジニーは、大きく3つのグループに分けられます。

1.ファーストネーションズ(先住民族、カナダインディアン)

カナダにもともと住んでいた人たちで、メティ、イヌイット以外の民族の総称。人口は851,560人で、アボリジニー全体の60%を占める。カナダには600を超える部族があり、60以上の言語があるとされている。アメリカではネイティブ・アメリカンと呼ばれることが多い。

カナダでは、ネイティブ(Natives)と呼ぶ人もいるが、この言葉にはあまりいい印象はない。オンタリオから西の地域、主にオンタリオやブリティッシュ・コロンビアに居住している。ウィニペグに住んでいるファーストネーションズは25,970人。

2.メティ

ファーストネーションとヨーロッパ人との混血子孫。人口451,795人で、アボリジニー全体の32%。メティの人口が一番多いのはウィニペグで46,325人、次いでエドモントン(31,780)、バンクーバー(18,485)。

3.イヌイット

カナダ北部に住む、エスキモー系諸民族のひとつ。人種的には日本人とかなり近い。人口は59,445人で、アボリジニー全体の4.2%。イヌイットの4分の3がカナダ北部の州に居住している。マニトバに住んでいるイヌイットは非常に少ない。

出典:Aboriginal Peoples in Canada: First Nations People, Métis and Inuit: Statistics Canada

ウィニペグの犯罪

ここで一旦先住民の話はおいておいて、ウィニペグにおける犯罪の状況についてお話します。

ウィニペグは悲しいことに、カナダの大都市の中で傷害や殺人といった暴力犯罪の発生件数が非常に高いという現状があります。2009年から2012年までの4年連続で、カナダ最悪となっています(参照:Crime in Canada )

この犯罪についての話をウィニペグの人にすると、多くの人が、「犯罪のほとんどが先住民たちが原因だ」と言います。たしかに、ウィニペグのローカルニュースで犯罪の発生のニュースを聞いていると、犯人の特徴としてAboriginial(アボリジニー)という言葉を聞くことが多いのも確かです。

ウィニペグにおける犯罪のアボリジニーの存在

以前の記事で紹介した通り、ウィニペグで犯罪率が高い傾向にある地域は、ダウンタウンから北側の地域です。Winnipeg Policeのホームページにあるグラフをみても、犯罪が市の北部に集中している事が判ります。参考:Winnipeg Crime Stat

この地域を車で通ってみるとわかるのですが、この地域に先住民たちが多く住んでいることがはっきりとわかります先住民の人たちが路上にたむろしていたり、道でお酒を飲んでいたり、酔って暴れていたりという事を目にすることもあります。

ウィニペグに住むアボリジニー(ファーストネーションズ、メティ)の割合は全人口の10%にも満たないのですが、マニトバの刑務所に収監されている犯罪者のうち、なんとアボリジニーの割合が70%にも達しています。

ウィニペグの人たちが言う、「犯罪のほとんどが先住民が原因」というのは、決して人種差別的な感情や先入観ではなく、れっきとした事実なのです。

先住民人口の多い都市は犯罪発生件数が高い

ウィニペグだけでなく、同じ平野部の都市である、サンダーベイ、サスカトゥーン、レジーナ、エドモントンなどの都市も先住民が多く住んでいます。そして、これらの都市の犯罪率はカナダ平均の2倍以上です。

これらの都市には、アボリジニー以外のギャングの存在するので、全ての犯罪がアボリジニーが原因だということは出来ませんが、アボリジニーの犯罪における割合は決して無視できるものではないのもまた事実です。

出展:Tackling the crime statistics: Winnipeg Free Press

解決への取り組み

アボリジニーの人たちが犯罪を起こす原因は、未熟な教育であったり、貧困であったり、雇用の問題であったり、また、彼らが経験してきた歴史などいろいろな原因があります。カナダ政府をはじめ、マニトバ州もウィニペグ市もこの問題は重要な問題と認識しており、解決へ向けた努力をしています。

ウィニペグ以外の大都市では、無理やり先住民たちを隔離した結果として、犯罪率が減ったという都市もあります。犯罪率が下がるのは喜ばしいことではありますが、彼らを閉じ込めるという事がいいことなのかは、だれも正しい答えを出すことは出来ません。

現状としてアボリジニーの人たちが多くの犯罪の原因になっていて、そのためにウィニペグの犯罪率が高くなっているということは間違いのない事実です。

彼らを犯罪者として見たり、避けたりというのは人道的には間違っているのかもしれません。しかし、やはり自分の身は自分で守らなくてはいけません。

ウィニペグに来られる方はこの問題を認識し、そういった地域にはなるべく近寄らないなど、防御をする必要があることをよく頭にいれておいてください。






この記事を楽しんで読んでいただけたら、
下記のリンクをクリックしてランキングへのご協力をお願いします!

にほんブログ村 海外生活ブログ カナダ情報へ
Pocket