入学式欠席問題に見る、日本の労働環境が改善しないわけ

By | 2014年4月17日
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高校教師が、自分の子供の入学式に出席するために勤務先の高校の入学式を欠席し、それに対して高校の保護者や教育委員会が批判しているというニュースがありました。

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私には、倫理やらなにやらを持ってきて批判している人がちょっと理解できません。自分の子供の入学式だろうがなんだろうが、この教師は自分の権利を正当に行使して休みをとったというだけなのに、どうしてここまで批判されるのでしょうか。

例え「彼女とのデート」とか「結婚記念日だから」とか「大好きなゲームの発売日だから」という理由だったとしても、きちんとした正規の手続きを踏んだ上での休暇だったら誰にも文句言われる筋合いはないと思うのです。

もちろん、その日にすべきだった仕事を誰かに引き継ぐとかの対応は必要になるかと思います。学校は組織で動いているはずですし、その教師たちを束ねている担当者がいるはずです。業務的に問題ないのであれば、なんの問題も無いはずです。

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この件だけに限らず、日本では本当に個人に対する寛容さが非常に低いと感じます。例えばレストランのウェイターの小さなミスをおおごとにしてみたり、電車が数分遅れただけで文句をいったり、レジの対応が遅いと文句を言ったり。こういう人たちは自分で自分の首を絞めているという事に気が付かないのでしょうか。

国連総会による『最も幸せな国ランキング』発表 上位は今年も北欧諸国が独占!!

気になる日本は43位。GDPや社会的なサポート、寿命などにおいては長けているが、“寛容さ”がトップの国々と比べて断然低いのが気になるところ。

他人に対してきめ細かく正確で少しの間違いも許さないようなサービスを求めるのであれば、そのツケはかならず自分に回ってきます。そういう悪循環が今の日本の他人に寛容ではない空気を作り出しているのだと思います。

日本を訪れる外国人にとっては、このきめ細かいサービスは驚かれ、賞賛されることが多いようです。ある一定の期間だけ日本にいるのであれば、このお客さんを神様かのように扱うサービスは素晴らしい物に違いありません。

しかし、日本に住んでいる人にとっては、自分がそういったサービスを受けるということは、自分も同じような事をしなければならないということです。もちろん、自分が就いている職業によって違いますが、サービスを受ける側の人間もサービスを提供する側の人間も、どこかでその立場が入れ替わっているはずですから。自分が理不尽な要求をしたら、自分もそうやって同じように理不尽な要求を受け入れなくてはいけなくなります。

たしかに日本のサービスのきめ細かさは素晴らしいですし、世界に類を見ないものです。しかしそのサービスは、多くの働く人たちの犠牲の上に成り立っているのです。そういうことを考えると、日本のサービスが素晴らしいとは全く思えなくなります。

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今回の教師の件がカナダで起こったとしたらどうだったでしょうか。そもそも入学式が無いので比較は出来ませんが、教師が自分の都合で学校の行事を休むなんてごくごく普通であたりまえの事です。「子供を迎えに行くから授業10分早く終わらすね」とか「医者に行かなきゃだからその日は休むね」とかもう日常茶飯事です。あくまでも権利を行使しているに過ぎないですからね。

また、カナダには今回の日本での論調のような「教師は聖職だから」という空気もありません。もちろん、非常に重要な職業のひとつには違いありませんが、それはあくまでも業務時間内での話です。

たとえば、日本の小学校の教師は生徒が下校するまでほとんど休みがないようなものだと思います。休み時間には次の授業の準備をし、昼食の時間は子供たちを監督しなが食事をとらなくてはいけないですよね。一方カナダの小学校には、Lunch Supervisorという人がいて子供たちを見てくれます。教師はその間ゆっくりお昼休みが取れるってわけです。こういうひとつを取ってみても、きちんとした労働環境が整備されているというのがわかります。教師は特別だから人生を捧げないといけない的な雰囲気は皆無です。

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考えてみると、どうも日本はサービスを提供する側を1人の人間として見ていないのじゃないかと思えるようフシがたくさんあります。教師は聖職だという考えもそうですし、レストランのウェイターやコンビニの店員に対して横柄な態度をとれるのも、1人の人間としてではなく、あくまでも「ウェイター」や「店員」として見て、自分に奉仕する側の人間として見ているからではないでしょうか。車を運転している時怒りっぽくなるのと同じですね。(「人」に対してではなく「車とドライバー」というモノに怒りを向けているから。)

電車が1数分遅れたくらいで文句言わない、ウェイターに対して優しく接する、お店の店員に対して感謝の気持を持つ、店員に挨拶をする、ありがとうという言葉を口にする。小さいことですが、日本の社会に必要なのはこういうことだと思います。もっと多くの人がこういう態度で人と接するようになれば、日本はもっと素晴らしい国になると思うのです。

入学式欠席問題は日本のブラック労働の実態を反映している – WirelessWire News(ワイヤレスワイヤーニュース)

「息子の入学式に出るので、欠席します」事件。悪いのは教師ではなく学校の対応だ!






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